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国宝「五部心観」の写本『法明院本』で新発見
2024.09.19 19:35

大津市の三井寺が所有する国宝「五部心観」の写本「法明院本」について、新たな発見があったと大学教授らが発表しました。「法明院本」は、三井寺が所有し、国宝に指定されている曼陀羅「紙本墨画五部心観」の写本です。これまで1857年に法明院の住職が書き写したものとされていましたが、今回、広島大学大学院の安嶋紀昭教授らの調査により、西暦1000年ごろの平安時代に書き写されたと考えられることが発表されました。法明院本は、約縦33・7センチ、全長18・5メートル。使用された紙は上質で、顕微鏡で調べても繊維が見えないほどだということです。「五部心観」を透き写しているものの、表現は大きく異なっていて、異国的な雰囲気がなく、丸みのある柔らかな表現で描かれています。

宮中の絵師のような国宝級の実力ある画家が描いたとみられますが、女性の仏が描かれた場所の下には、別の筆跡で描かれた箇所もあります。安嶋教授は、宮廷絵師が描いたものに加筆できる身分の人物として、藤原道長の姉で、当時の一条天皇の母・藤原詮子が考えられるとしています。999年に一条天皇と結婚した藤原彰子のため、皇子出産を願って筆を入れたことが想定できるということです。この「法明院本」は、今後、一般公開も予定されています。
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